エガオヲミセテ



南相馬での交流

9月22日から24日までの3泊4日の日程で福島県南相馬市へ行ってきました。
僕らが毎年夏に開催し、今年で5回目を数えた信州伊那谷親子リフレッシュツアーの参加親子との現地での交流と、スタッフの勉強を兼ねて企画したもので7名のスタッフが参加しました。
ツアーには南相馬から下伊那へ避難している高校生と先生も同行し、こちらは現地南相馬の高校生と交流する予定でいました。

初日、常磐道南相馬インターで降り、まず南相馬市原町区にある放射能測定センター「とどけ鳥」を訪問。僕がここを訪問するのは2014年に続いて2回目でした。前回の記事→http://grey941.blog.fc2.com/blog-entry-26.html

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前回訪問した時にはなかった検体をバラバラに刻まなくても測定ができる機械が新たに入っていました。(検出限界は高めになるそうです)

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現在は市販されている食品についてはほどんど検出しないとのことですが、やはり野生のキノコだけはいまだに高い数値を出すものが多く、注意が必要とのことでした。(この日測定したキノコ、イノハナはセシウム合算で28414Bq/kgでした)


とどけ鳥を後にして再び北上、鹿島区に向かいます。
リフレッシュツアーを行う上で欠かせない、現地南相馬で参加者の募集、送り出しを一手に引き受けてくれている「南相馬こどものつばさ」の事務所へお邪魔しました。
代表の西さん、事務局長の佐藤さんと面会し、お互いに情報交換しました。
南相馬こどものつばさは行政、学校を巻き込んで子どもたちの保養をサポートする活動を行う福島でも唯一といっても良い存在です。
お話をお聞きして、いろんな偶然が重なったこともありますが、何より西さん、佐藤さんの強力タッグ無くしてはこどものつばさがここまでうまくいくこともなかったのではないか、と強く感じました。

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宿泊は小高駅前にある双葉屋旅館。こちらのご主人はとどけ鳥スタッフであり、前回僕が南相馬を訪問した際に周辺を見学した時にも案内をしていただいた小林さんです。

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双葉屋旅館は昨年7月に避難指示解除された小高区において、様々な活動をする人たちの拠点的な場所になっていて、この日も何人もの方が活発に議論していました。


翌日は「菜の花プロジェクトネットワーク」や「チェルノブイリ救援・中部」などが取り組む菜種の種まきイベントに参加するため、海岸に近い原町区萱浜地区へ向かいました。
このプロジェクトについてはリンクを参照。http://www.nanohana.gr.jp/

菜種やヒマワリは原発事故直後に除染効果があるのではないか、と一時的に話題になりましたが、セシウムを吸着はするものの、それほど大きな効果は望めないという考え方が今では一般的になっていると思います。
でも種から搾った油にはほぼセシウムの移行はないということで、汚染がある地域の作物として注目もされていました。
油は食用以外にもバイオディーゼル燃料などいろいろなものに利用でき、春には一面の黄色に咲き誇る菜の花として、見ても楽しめる菜種は大変利用価値の高い作物です。

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総勢100人以上で畑に種をまきました。

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南相馬でも特に海寄りの地域は汚染もほぼありません。


このイベントに畑を提供した方の家がすぐそばにありました。
最近まで一階部分が津波にさらわれ、筒抜け状態だったそうですが、ここ最近建て直され、新築になっていました。
家の20mくらい手前の、もともと何があったかわからない空き地にポツンと手作りの焼香スペースがありました。

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中には子どもとおじいさんとみられる写真が飾ってあります。
津波によって亡くなったのだと思います。
ご主人は開会式であいさつもされ、常に明るい表情でした。
ですが震災でかけがえのない家族を失い、おそらく、相当に悩んだ末に元と同じ場所に家を再建し、そして菜の花プロジェクトのために所有する畑を提供し、前を向いて今できることを一つ一つこなしながら必死に生きておられるのだと思いました。
ここに至るまで、本当のたくさんの葛藤があったと思います。見て取れるわずかなことからもそれは容易に想像でき、本当に何とも言えない気持ちになりました。


この後、市内や今年の3月に避難指示が一部解除された浪江町、そして前回来た時も訪れた希望の牧場を見学しました。

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浪江駅

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駅前の線量は思ったよりは低かった

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希望の牧場。たくさんの牛が今も暮らしていました。

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瓦礫などを焼却して減容化する施設。各自治体にそれぞれ作られたそうです。

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写真中央、かすかに映る煙突のようなものは福島第一原発のもの。

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こんな大きな施設ができていました。原子力災害対策センターhttps://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16025c/genan411.html。事故の教訓を生かして南相馬と楢葉町に作られたそうです。
こんなものが必要なエネルギーって、と考えてしまいます。

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競走馬の余生を送るための施設で働く若い女性は、僕も岩手で実物を見たことがある寒立馬(かんだちめ)http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000049.htmlを近く飼うんです、と夢を語ってくれました。


そしてこの日の夜は今回のツアーでの主目的となるリフレッシュツアー参加者との交流会でした。
今年、昨年の参加者、そして過去3回も参加してくださっている方を含めて大人7人、子ども6人と初めて南相馬で再会し、会食しながらいろんな話で盛り上がりました。

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長野で会うのとは違ってなんだか最初はちょっと緊張もしましたが、初対面ではないのですぐに打ち解け、今後のツアーについてなど意見交換しました。

最終日は飯舘村を経由し、僕はこれまでに何度もお邪魔していた細川牧場へ寄り、少しお話を聞きました。
細川さんは今も東電を相手取った裁判の最中で、大変なことも多いと思いますが隣の川俣町へ畜舎を新たに建てたりと本業の方も精力的にやっておられ、ご本人も相変わらずお元気そうで安心しました。
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その日、9月24日はちょうど飯舘村村議選挙の投票日で毎回福島へ行くたびに必ずお会いしていた、先の村長選を戦われた佐藤八郎さんは今回再出馬されていてお忙しいと思ったので連絡せずにそのまま帰路へとつきました。
(その後八郎さんのトップ当選を知りました!)

今回の南相馬行きで様々な人に出会って思ったことは、多くの人が今までの人生には考えもしなかった、震災後に新たに加わったたくさんの価値観、選択肢の中から一つ一つ悩みながら選んでここまで暮らしてきたんだな、ということでした。
放射線のリスク一つとっても、正解は一人一人が違うはずです。
「復興」や「絆」という言葉はすっかり手垢のついたものになってしまったような気がしますが、大変な紆余曲折を経て今、ふるさとを何とか復興しようと奮闘している人たちは日々、ギリギリで支え合い、先の見通せない状況の中で今できることを、そしてその中で最善と思えることを悩みながらも選択し試みる、といった毎日を過ごしているということを感じました。
放射能による汚染で避難区域となり、そしてそれが解除された地域に生きるという、日本人が経験したことのない現実から僕自身もまた目を離さずに今後も生きていきたいと、またあらためて思った旅でした。


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  1. 放射能
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スコープ合わせ

銃にスコープを搭載したら実際に弾を撃って調整しなくてはいけません。
今回は購入した販売店でハーフライフル銃身のカンチレバーに取り付けるところまではやってもらいました。
取り付け方もいろいろやり方があるらしく、正しく付けないとあとで狂ったりするそうです。
この時ボアサイター等の簡易的な器具を用いて大まかに合わせておきます。
その後射撃場で的に向かって実際に撃ち、スコープのレティクル(のぞいた時に見える十字状の照準)と着弾点とが合うように縦と横の調整ダイヤルを少しずつ回しながら調整していきます。
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1クリック=1/4MOAとは100ヤード先の的に対して着弾点が1クリックで1/4インチ動く、という意味です。

この作業をゼロインと言いますが、ハーフライフルの場合通常100mで合わせることが多いと思います。
ライフル銃で150mで合わせる人もいるかもしれませんが、ライフル用の射撃場は撃てる距離が100mまでのところが多く、それ以上の距離で練習やスコープ合わせを行いたいときはそれができる射撃場へ行かなくてはできません。
僕は自分の猟場の地形や銃の性能から100m前後が勝負の距離だと思っていたので100mでゼロインしました。
銃弾は重力の影響で山なりの軌道を描くので、この場合100mより距離が短いとスコープのクロスより上に着弾し、それより遠いと下に着弾するというわけです。
銃や弾よって若干違いますが、距離によってどれだけ弾がドロップ(落ちること)するかを計算し、その分上を狙って撃つということになります。

さて実際に射撃場で初めてのゼロイン作業となりましたが、大きく狂っていると遠い的には当たらないのでまずは50mで撃ってみることにしました。
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的の直径は33cm、黒丸部分の直径は20cmです。
最初の3発は的の中心よりちょっと上に着弾しています。
そこでスコープ上部のダイヤル、エレベーションダイヤルをU(up)とは逆方向、右に12クリック(100ヤード=91メートルで7.6センチ移動)回してみました。
そうしたら次の2発のところへ着弾。2~3㎝しか下がらなかったのでさらに10クリックダウン。結果最後の2発のところへ。高さはいいようです。

続いて100mで撃ちます。
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100mだと的がこんなに小さい。20cmの黒丸なんか点のようです。

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これはちょっとボードに的を張っていない写真なんですが、スコープ2倍の位置で覗くとこんな感じ。
これじゃちょっと精密には狙えないので倍率を上げます。

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で、このスコープの最高倍率、7倍にするとこんな感じになります。ここまでくれば何とか中心が狙えます。

撃ってみた結果が下の写真。
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1発目で中心から20センチほど下に当たりました。
これは想定内で50mゼロインだと100mで20センチドロップ、ということになります。
そこで一気に22クリック、つまり最初の位置までエレベーションダイヤルを戻しました。
そうしたら②に着弾。うん高さは良さそうです。
続けて3発目。右上に着弾。う~ん、わかりません。弾の性能かそれとも手元がぶれたか。
ここで弾をチェンジ。フェデラル鉛サボットからレミントンアキューチップへ。
レミントンの方が高価で精度も良いと思われますが銃との相性もあるので実際に撃ってみなくてはわかりません。
4発目は大きく外れておそらくミスショット。5発目はまあまあのところへ。

ここで的紙を変えて再びフェデラル。
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1発目は大きく右へ。またミスショットか?
このあたりからその反動の大きさから肩が痛くなってきていました。
衝撃の恐怖から無意識に体が反応してしまい、狙いが大きく狂ってしまうことをフリンチングとかガク引き、と呼んだりしますがそれかもしれません。
そうならないように意識して撃って、2発目は高さは良いもののやはりやや右です。
ここで左に12クリック。また弾をチェンジ。レミントンへ。
するとほぼ真ん中へ着弾。ここでよしオッケー!とやめといた方が良かったのかもしれませんがフェデラルの弾との比較をしたかったので再度フェデラルにチェンジ。撃つとこれまたちょっと上へ。
印象としてはやはりレミントンの弾の方が精度が良いような気がしました。
とことんやりだすとキリがないので弾も高いし今回はここでやめることにしました。

これだけ撃って結果的には初期設定から上下は変わらず、左右で左に12クリックだけ調整しました。どうやら最初の仮合わせは100mでして合ったように思います。(販売店に確認していませんでした)
いろんな弾を試してその銃に最も合った弾を探すのも必要なテストですが、もともと高い弾なのでやたらにはできません。
猟期前に再度合わせに行こうと思っていますが、おそらく銃もレミントンなのでレミントンの弾が良いような気がします。
とは言っても100mの依託射撃で10㎝くらいにまで弾が集まればほぼ問題ないと思われます。
今回はおおむねそこまで調整できたと判断しやめましたが猟期前に最低もう一度は調整に行こうと思っています。

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その後銃身を取り換えてスラッグも撃って照門も調整しました。
4種類、合計33発。肩にタオルをあてていましたがそれでももう限界でした。
12番スラッグの衝撃は本当にヤバいです(笑)



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ハーフライフル

ちょっと前になりますが、新たな銃を購入しました。
とは言っても中古なんですが、レミントンM870というやつで一発撃つたびに左手をガシャコン!としゃくって排莢と次弾の装填を行うポンプアクションとかスライドアクションとかいう構造のものです。
アメリカ映画にもたびたび登場し、安価で丈夫な銃で猟銃としても割と人気のある銃だと思います。
この銃の特徴として工具も使わずに簡単に銃身が替えられるという点があります。

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今回も3本の銃身と一緒に購入しました。

写真一番上は30インチ、フルチョーク銃身。照準はリブというレール状のものと照星のみで行います。
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これは主に鳥撃ち用のもので鴨などが水面などからバタバタと飛び立った瞬間に素早く構えて狙います。そのため照準器はより早く狙えるリブが採用されています。
チョークとは絞りとも言い、銃口の径を変化させることでどのくらいの距離で散弾がベストの状態で開くかをコントロールするものです。

フルチョークは結構きつい絞りなのでこれに30インチ(76.5cm)のセッティングは主にちょっと離れた距離で水面から飛び立つ鴨を狙って撃つという想定の銃身だと思います。

2本目はスラッグ銃身。これは一発弾のスラッグ弾を撃つもので、絞りは軽く、銃身長も短めで20インチ(51cm)です。
照準器は照星、照門で合わせる良くあるタイプです。
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これは50m前後までの近距離の大物(シカ、イノシシ)が主な対象になり、今まで使用していたスラッグ弾が使用できます。

そして3本目。これが今回の銃購入の本命でハーフライフル銃身というものです。
銃身にカンチレバーという突起が付いていて、これに直接スコープを載せることができます。
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ハーフライフルとはなにか?
その前にそもそもライフル銃と散弾銃とは何が違うのかを少し説明します。
通常、狩猟免許を取って銃の所持許可を警察から受けるとき、最初に所持が認められるのは散弾銃になります。(空気銃もOK)
散弾にはいろんな種類があって、小鳥を撃ったりクレー射撃をする小粒の弾がざらざら入った弾からイノシシ、シカなどの大物用で薬莢のなかに大きめの弾が6発とか9発入ったバックショットと言われるものまで獲物や用途に合わせて何種類もあります。
そして散弾銃なのに一発だけ発射するスラッグと言われる弾もあるのです。
対してライフル銃で発射できる弾は一発だけですが射程距離が散弾銃とは全然違います。
弾丸が到達する最大距離と実猟で実際に狙える有効射程距離はかなり違うのですが、ライフル銃は数キロ先まで弾が届くと言われていて、有効射程距離も数百mと言います。実猟では150m~200mくらい、場合によっては300mくらいまでが射程距離となります。
スラッグでは最大到達距離が700m、有効射程は50mくらいと言われ、100mでは相当厳しいと思います。
これは僕も経験上感じていました。
特にそれまでの僕の散弾銃はリブ銃身の上下二連銃。これを全く使いこなせないでいました。
いや、これで大物を獲っている人も世の中にはたくさんいると思います。
ただ僕がダメだった、ということです。

狩猟の昨シーズン。僕は目指すスタイルの一つ、単独忍び猟に何度となく挑みましたが獲物には遭遇し、発砲するもののことごとく失中でした。
そこで感じたことはまず銃に対する信頼性の重要さ。つまり照準を確実に合わせたなら当たる、という確信です。
今までは「よし、もらった!」と思っても外れることの繰り返しでまったく自信も銃への信頼も失ってしまっていました。
そして次に単独で50mまで獲物に気づかれずに接近することの難しさでした。
100mで勝負できる銃が欲しい。そこで検討したのがハーフライフル銃でした。

ライフル銃の銃身の内側にはライフリングという螺旋状の溝が刻んであります。
これにより、中を通過する弾が回転力を与えられて発射されるのです。
そうすることで空気抵抗を抑える効果があり、弾は遠くまでまっすぐ飛び、遠距離での精密射撃を可能にします。
ただしその高い遠射性能から通常銃所持許可を得て10年に満たない者は所持許可が下りず、10年もの間散弾銃で猟をしなければならないのです。(例外もあるそうです)
対してハーフライフル銃はその名の通り、銃身の半分のみライフルリングを刻んである銃で、専用のサボットスラッグ弾を使用することで通常のスラッグ弾に比べて高い命中精度を得ることができるのです。
その精度はスラッグ以上ライフル未満といったところで有効射程は100mから銃によっては200mくらいまでと伸びます。
種別的にはライフル銃でも散弾銃でもない、「散弾銃及びライフル銃以外の猟銃」という訳の分からないものに分類されていますが、実質散弾銃を撃てる資格のある人には所持許可が下りるのです。
有効射程はライフル銃にはかないませんが、北海道とは違って山の地形が複雑な本州の猟場では十分な性能です。
今回購入した替え銃身式の銃は銃身固定のボルト式のものと比べて精度は落ちるのですが、一丁で複数用途を考えていたのと、将来ライフル銃を所持した場合にボルト式は用途がかぶってしまうと思ったため、悩んだ末にこのM870を選んだというわけです。

100m以遠で勝負するためには当然スコープが要ります。今回はこれも悩んだ末リューポルド製倍率2~7倍というものにしました。
これを銃身に直接取り付けるための突起、カンチレバーに装着します。
替え銃身式の銃は機関部とのガタが精度に影響すると言われていて、直接銃身に照準器が付いている方が良いとされています。
これで今までもっとも機会が多かった50m~100mほど、あるいはそれ以上の距離で勝負できる条件が一つ整いました。来シーズンは期待できそうです。

実は購入してすぐに町の有害鳥獣駆除があってこの銃を使う機会がありました。
まだ一発も撃ったことがなかったのですが、立間で張っていた僕のところへ2頭のシカが。
なんと初めて撃った一発目、二発目がそれぞれ2頭に当たり、仕留めるというでき過ぎの結果に。

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無線で二頭のシカがこちらの方へ向かっている、ということは聞いていたので待ち構えていたのですがなかなか来ず、どっか行っちゃったかな?と思い始めた時、ふと横を見ると一頭のシカがこちらを見つめてたたずんでいます。
まだ射場でのスコープ合わせもしていなかったのでこの日はスラッグ銃身を装着していました。
それぞれ距離は50m以下だったと思います。
シカはちょうど止まっていたところを撃てたのですが、とっさで木などに依託することもできなかったので立射でした。
依託射撃に比べ、立った状態で構えて撃つ立射は銃がぶれやすい撃ち方ですが、実猟では結構とっさのことが多く、銃の固定ができないこともしばしばです。
そのためこの訓練も大切で、銃を手にしてからほぼ毎日のように的に向かって構えては引き金を引く、という練習をしていました。
初めての発砲でのこの結果はでき過ぎですが、この銃に対する信頼感は一気に高まりました。
猟期が楽しみですね。



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信州伊那谷親子リフレッシュツアー2017

今年も7月21日~24日の3泊4日の日程で5回目となる信州伊那谷親子リフレッシュツアーを開催することができました。
今年も定員以上となる28名の方に参加していただきました。

以下今年の模様を写真とともに振り返ります。

到着した翌日の午前は信州と言えばのおやき作り体験。
みんなでこねて作ったら外の薪のかまどで蒸してから焼きます。そしてそれがお昼ご飯。
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午後からは近くの美和湖でカヌー体験。
これは昨年から入ったプログラムですが子どもも大人もとても楽しそうでした。
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夜は恒例、花火大会。
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3日目午前は地元溝口区のみなさんのご厚意で参加させていただいている地域のイベント、イワナの魚つかみ大会。
毎年こちらの参加を前提に準備を進めて下さっていて大変ありがたいです。
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今年は雨模様だったので沢で捕った魚は宿泊している施設、溝口館(すぐ近く)に移動して焼いて食べました。
その他焼きそば、フランクフルト、ビールにスイカ割りと地区の夏祭りイベントでもあり、多くの人で賑わいます。
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午後からは別の川へ移動して川遊びの予定でしたが雨で予定変更。
分杭峠を越えて大鹿村へ。中央構造線博物館と併設の民俗資料館「ろくべん館」を見学しました。
さらなる信州の山奥感を味わいます。
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お互いに少しずつ慣れてきた3日目、最後の夜は大人の交流会です。お酒を飲みながらいろんな話で盛り上がりました。
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僕は参加お父さん、おじいちゃんと話しながら飲んでいたんですが、お母さんとはやはり違った視点でいろいろ興味深かったです。

その時、最後にツアー参加が決まったあるご家族は一次募集、二次募集と連続で抽選に落選したらしく、キャンセルが出てやっと入れたとおっしゃっていました。
これには驚いたのですが、全体説明会(各募集団体合同の)に参加した時も昨年から大幅増の500人くらいの参加者があり、確実に参加希望者が増えていると感じます。
また、別の参加者も今年初めてこの取り組み(こどものつばさの募集案内)を知ったと言っており、回を重ねるうちに徐々に認知されていったのかな、と思いました。
しかも南相馬市内のすべての学校へ募集案内を全員配布しているとのことで、学校を通しての募集に対しての安心感はやはり大きいということでした。


去年も参加してくれた兄弟の弟君。この神社の縁の下にアリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)の巣がたくさんあったことを覚えていて、今年は捕まえると決めていたようでした。
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とはいえ捕ったことは無いようで、おっかなびっくりだったのを僕が教えてあげて何とか最後に一匹捕まえました。
この時の土の触れ方に違和感を感じたのですがその時はあまり気にしませんでした。
後から普段放射能を気にして触れないからあんなに恐々な手つきだったのかな、とちょっと思いました。考え過ぎかな?


全参加者28人と最終日に居合わせたスタッフとで記念撮影。
ボランティアは前3日間で入れるときに入ってくれているのでこの3~4倍くらいは要ると思います。
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今年の参加者でリピーターは2家族5名でした。
特に3回目の参加となるKさん親子は唯一の中学生(3年生)の参加となったお兄ちゃんと6年生の弟君(前出アリジゴク君)と母親の3人の参加で、うちの子どもたちともたくさん遊んでもらいとても助かりました。
今年で3回目の交流にして兄弟が二人とも実はとっても優しい性格だということに気づきました。
お兄ちゃんとトランプをしたり、弟君はとてもなついてくれて結構一緒にいたので僕自身も楽しい思い出ができました。
ごはんも一緒に食べていたのでいろんな話をして、特に猟の話にはすごい食いついてきたので僕もノリノリで話していたのですが、どうしても肉を食べてみたいというので来年も来てくれたら持ってきてあげるよ、と約束しました。
今年は雨で半日予定が変更になった以外は昨年と全く一緒のプログラムだったので慣れもあり、大きな問題もなく進んでいったのですが、ボランティアの数は昨年までに比べだいぶ減ってしまったような気がしました。
そして今年のもう一つの大きな問題として、カンパが減りつつある中、2年連続でいただいていたある企業の助成金が今年は出なくなってしまったことがありました。
ツアーで最も大きな出費となるバス代をそっくり埋めるほどの大きな助成がなくなってしまったことは来年以降も続けていく上でかなりの痛手になってくることは間違いないでしょう。
来年も結局人と金で悩むことになりそうです。頑張らねば!



  1. 放射能
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スイス・フォレスターと近自然森づくりのワークショップ

先日、6月26、27日に岐阜県郡上市で行われたスイスのフォレスター、ロルフ・シュトリッカーさんと通訳で自身も森林と林業について研究されていて、環境と人間の豊かさの両立を目指す「近自然学」を提唱するスイス在住の山脇正俊さん講演と現場実習に参加してきました。

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ロルフさん(右)と山脇さん

スイスのフォレスターは公務員で森林管理において絶大な権限を持っているらしく、所有者であったとしてもその許可無しには木を伐ってはいけないそうです。
また、スイスの林業は地形や材価など条件的には日本とさほど変わらないにもかかわらず、
従事者の賃金は2倍ほどあるらしく、いかにフォレスターの役割が大きいかわかります。
林業経営的な手腕も問われるのですが、やはり継続的に利益を生み出す山づくりが重要なポイントになる、ということで今回、その具体的な手法についても現地実習で細かく学ぶことができました。
全部をレポートにまとめると大変なのでメモしたものを箇条書きで羅列してみます。
メモもかなりの量だったので全部ではありあませんが、ちょっと抜粋して。

以下メモ
1日目
近自然→人が留まる、速すぎない流れ
近=人間がかかわっている≠自然。人間のため、人間が生き延びる、豊かに健康に
持続的成功
常識、慣習、前例、権威などを頭から信じてはいけない→自分で考える
温暖化を疑う
人間の出すCO2は3.5%
太陽活動も原因
砂漠化は寒冷化で起こる
寒冷化の方が問題

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長いスパンでみると今は寒冷化に向かっているらしい

元金ではなく利子(生長量)
フォレスター→警察権、コーディネーター、アドバイザー、住民代表、自然代表、市町村に雇われる役人
レクレーション→市民が森に入る
森は巨大な土場→廃棄物が出ない
ウッドチップ(エネルギー)はスイスでは最も大事
森は太陽エネルギーをためている
一万円を木に投資すると外に出ていくのは500円だけ

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左から木材、石油、天然ガス(?)。一番下が外へ出ていく割合

ロルフさんの担当は850ha森林所有者306人。標高655m~1073m、90%以上私有林
所有者1人当たり平均2ha
森は斜面を守る、スポンジ、水を一旦貯え、少しずつ流す
近自然森づくり→適地適木、縦横構造複雑、若い木古い(太い)木が同じ場所で混ざり合ってある
地力が持続することが最も大事
安定性が低い→次の嵐で全部倒れたら終わり、
生物多様性が高い→健康長続き=儲けが出続ける
浄化作用(フィルター)
住民が森へ来て憩える(レクレーション)
細い木は利益低い。クオリティ高い太い木は㎥当たりのコストが低い
高性能林業機械への誤解→見極め
大きい木を抜く→次が育つ
人件費が高い国→大量生産では勝負しない
珍しい木を生産→たくさんある木で勝負しない(流行がある、浮き沈み)=リスク
ふさわしい木を見極める、混ぜた時の相性、周辺も含めて
急がない、忍耐を忘れない
自分だけではなく次世代を育てる
森の安定性→最重要
多層→大きな木のみやられる→リスク分散
単純林はリスク大、風倒木、病虫害、地表、地力低下
地下の根の長さもバラバラでこぼこが良い

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樹高も根っこもバラバラ、の模式図

まず最初にギャップを作る→光が入り若木が育つ
実例を見せる、素晴らしい森(美しい、儲けた)→所有者を説得
始めなければ結果は出ない
天然更新ができるかどうかは種が元々あるか外からくるか
優良な種が望ましい
山に持ち札をたくさん持つ→ビジネスの方へ働きかけるのは限界がある
フォレスターがマークした木しか伐れない
売れそうなら伐る、そうでなければ伐らない
森がなかったら人間は住めない気象になる
まず過去のことを推測、それからこれからを考える

フィールドへ。今回は郡上高校の生徒さんたちと一緒の研修です。
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傾斜、方角、石の有無、笹、低木
下から見る(地面→根張り→下枝→樹冠)
降水量、気温、風、これらを知っていないと先へ進めない
風が強い場所は風上に太い木を残す
放置→もっと暗く→下草減る→細い木が枯れる、太い木も成長おそい
太い木同士が競合する→森の安定性が落ちる
森は放っておいても500年くらいで安定するがその前に不安定になる
途中でバタバタ倒れることもある
目標設定→安定した森を作る→それにはどうすれば、を考える
今安定していてもだんだん樹冠(クローネ)が小さくなると不安定になる→手当を
グリーン(葉)のない木は成長しない
我々は生物学屋ではなく林業屋だ→良質材を
妥協点は樹冠が樹高の1/4できれば1/3がベスト
育てたい木の斜面上方に邪魔な木がある
平らなところでは南側
強い風が吹くときはその方向を残す
迷ったら伐らない
第一に安定性を、質は次
育成木=将来木
収穫するまで育成木同士がライバルにならないように→勝負がなかなかつかない(効率悪)
育成木同士は近すぎるよりは遠すぎる方が良い
良くある間違い→たくさん育成木を選ぶ→喧嘩させるし結局伐る
選木は斜面下から、育成木は三角に残す(互い違い)
下の方が水、養分が多い
上の方は下草を伐ってはいけない→乾燥する
低木があれば笹が入らない
広葉樹林はずっと難しく、楽しい
日本は広葉樹では林業できないと思われている(良い木がない)
スギ、ヒノキの適地ではないところが広葉樹になっている
広葉樹で林業やるのなら良いところで
針葉樹より光を強く求める→谷に曲がっていく→早めに山側を開ける
斜めの木は見た目まっすぐでも圧力がかかっているので伐倒後に割れる
できるだけ早くまっすぐに育つようにする

良い結果が出ない→余計なことをしている→木の知識をつける
陽樹は80年くらいで収穫、その後陰樹が育つ
股になる木は遺伝(母樹)鳥の傷、雪なども原因
下から陰樹で押し上げると枝が出ない(陰を作る)
枝打ちも一つの手
間違いでするくらいだったらしないほうが良い→コスト
枝打ちは親指の太さまでが基本
育成木以外の枝打ちはしない(無駄なコスト)
陽樹→斜面上(乾燥、光多い) 陰樹→下
現場で細かい地形を見る(机上ではだめ)
いろんな落ち葉が混ざるほどバクテリアも多い→土が豊か→水も貯える→木も成長
土壌も改良できる
広葉樹を混ぜる、根もいろいろ
森づくりは人工的ではない→肥料を入れない
自然から遠くなるほどコストが高くなり、失敗の可能性が高い
広葉樹の陽樹は密にしない
陰樹はブナなどは密植も良いかも(樹種は混ぜない、ブナのみなど)

2日目
針広混交林(多層)に持っていけるかをまず考える
目的は林業、自然保護、レクレーションの3つ
自然保護林→明るい、暖かい、養分少ない、生物多様、動植物の知識が必要、林業には向かない
レクレーション→市民が来やすい、もともと来るところ
仕事(コスト)と結果を比べる
土壌(地表)石がどれくらいあったら支障があるか(スコップでつついてみる)
石が多ければ水はけがよい→養分も流れる→林業には良くない(タモはダメ)
土を握って固まるか
下草を見る、酸性のところは分解を促進しなければだめ
次に目で見た印象
ギャップを作ったのに下草がない
診断(適地か)→手をかけるorかけない(ほとんどの所有者はこっち)
下層、中層なければ風が通る通路になる→湿気を持って行く
あれば防風、落葉して土を作る
樹冠がふさがる前に下層を育てる
下層の多様性はだんだんと落ちていく
放置すると針葉樹の天然更新はできない
広葉樹だけ下から生えてくる
針葉樹の実生は何もしないと広葉樹に負ける
遷移を観察する
針葉樹実生のすべての広葉樹を撤去する必要はない
マーキングの所だけ手入れ(鉈で)、他はやらない(コスト)

P6270846.jpg
広葉樹の手入れは伐採のついでなどに剪定ばさみと鉈でチャチャっとやっておく、という説明

このような施業は正確な伐倒技術が大事
100%は存在しない、伐倒時下層木が潰れるのは想定内だがなるべく潰さないように考える
作業員にとっても楽しい
穴(ギャップ)が開くのは手入れの一つだと考える
上を伐るときは一律にならないようにマーク
規則的にならないように
キツツキの後の木は残す(無くすと他をつつく)
多様性、害虫を食べてくれる(敵ではない)
キツツキの穴の木を伐っても安い
保安林、何もしないのが一番悪い→後からできることが減って成功確立が下がる
中に風の通り道を作らない
等高線方向に穴が開くようにギャップを作る(縦方向はだめ)
列状間伐は最後の手段
収穫時に傷がついた低木も一緒に伐っておく(最低限で良い、良い木の周り)
二股も片方剪定ばさみで切って置く
庭師をやるわけではないのでほどほどに
空ける空間の広さは次にいつ来るのかで変わる
地力によって(良くて成長が早い時には広く)
作業道の目的はできるだけ安く木を搬出すること
安い木しかないところに道を入れると赤字
まず地図で計画→現場で修正
道は木材生産をあきらめる土地になる
道の脇の木は根に悪影響を受ける→成長にダメージ
フォレスターのアドバイス料は税金から出る(所有者は払わないで良い)
マーキングも同じ
健康な森の持続性にはみんなで税金をはらう仕組み
施業する会社にはきちんとコストをかける
木材の価値をしっかり分析、突板用材が高い
銘木市をネットでやる
みんなで出資し販売会社を作る
山土場へ置いてGPSで管理
村の製材所では高級ではない木材を売る
(手入れが遅れた)どんな森もあきらめるにはまだ早い
何ができるか最大限考える
生かす木をしっかりと把握する(作業員)
大きい木で置いておいても値段が上がらない木は収穫

シカ害について
P6270848.jpg
シカ避けパイプに守られるスギの植林地

基本的には狩猟で獲る
食うもの食われる物、どちらをどうするか
近自然的施業では食害のあるところではコストを安くはできない
実生より植えた木の方をなぜか好む
防護ネットの中で成長する木は弱い
動物が好む安い木を周りに植える
萌芽更新をさせる→かじっても負けない、また出る
ダグラスファーは1km先まで匂いが行く

一時的な措置ではうまくいかないことの方が多い→持続性がない
森づくりに唯一の正解はない
自分のやることに理由が言えなくてはいけない
直感は理由にならない
育成木同士が近くても同世代じゃなければよい
スギ枝のこぶは生き枝になければそんなに気にしない
中層のすぐ横の太い木は切らない
伐ってはいけないツタがある→後生枝を防ぐ、生物の住処
針葉樹は根張りが偏っているから不安定とは限らない
機械や道で森づくりをあきらめない
目標で選木を決める
作業員にとって伐倒するのが難しい木があったら
1伐らない 2フォレスターと相談 3巻枯らし のどれか

ここまで

などなど、前後関係がわかりづらかったりするかもしれませんがこんなところです。
忘れてはいけないポイントが「森の安定性」です。
いかに森林の公益的機能を保ちながら収益を得ていくか。
これは両立できるものであり、むしろ手を入れなければ保てない車の両輪であると言えるかもしれません。
山に手を入れることを生業としている者にとって、所有者の意向などのさまざまな制約があるとはいえ理想的な姿をイメージできているといないとではやはり結果は大きく違ってくると思います。

ロルフさんは研修中、「私はこの山や植物のことをわからないが」ということを何度も言いました。
それを前提に経験に基づいていろいろなことを教えてくれたわけですが、山はその地域、その山、そしてその場所によって大きく異なります。
やはりその地で実際に取り組む人が、試行錯誤しながらその場所の最も合ったやり方を模索してくしかないでしょう。
実はキャンセル待ちで最後に滑り込んだ研修だったのですが参加できて本当に良かったと思います。
今回学んだことを実践に移すフィールドも手に入りそうです。その時はまたレポートしていきたいと思っています。

手つかずの自然ではない近自然とは、まさに里山環境を対象とした言葉だと思います。
これまでも人間がもっとも大きな影響力を与えてきたことは明らかで、シカの激増もまたその結果です。
僕らの生活と決して切り離すことのできないこの身近な自然を今後どのようにデザインしていけばよいのか。非常に良いヒントを今回もらったような気がします。


  1. 山と木
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